コラム

宅地建物取引士

 

こんにちは。千葉市稲毛区の三和住販株式会社です。今回は宅地建物取引制度の宅建建物取引士について書いていきます。


宅地建物取引士


不動産の取引を行うには民法を理解していたり様々な業法を理解していたりや不動産取引に対する経験が必要となります。その為、不動産売買を業者として行う場合は宅地建物取引業の免許を有する必要があります。その中でも年に一度、都道府県知事の行う宅地建物取引士資格試験に合格し、試験を行った都道府県知事の登録を受ける事で宅地建物取引士証を取得している人を宅地建物取引士と呼びます。宅地建物取引士になるには試験に合格するだけではなく、2年以上の実務経験も必要になります。(実務経験以外の認定方法については後述します。)
ちなみに宅地建物取引士試験については国家試験となっており、2019年の合格率は17%です。
試験については50点満点のマークシート方式となっており、出題される問題は民法をなどの権利関係の問題。宅建業法に関する問題。土地計画等に関する、法令上の制限。税法等に関する問題が出題されます。


宅地建物取引士の更新


宅地建物取引士として登録した資格については登録消除処分を受けた場合や自分で登録の抹消をしない限りは生涯有効となります。ですが、宅地建物取引主任証の有効期間は5年間と定められております。この期間を過ぎる前に更新をする必要があり、万が一更新を怠ってしまうと後述しております宅地建物取引士のみが行える業務が出来なくなってしまいますので注意が必要です。


専任の宅地建物取引士


専任の宅地建物取引士とは常勤性と専従性の2つを満たす従業員に対して当てはまります。
まず、常勤性とは対象の宅地建物取引士が対象となる事業所へ常時勤務している場合を指します。他の会社に勤めている場合については常勤という形にはなりません。役員の場合であっても他の事業者の常勤役員である場合は常勤性とはなりません。それ以外にも学生であったり、毎日通勤する事が出来る距離に住んでいない場合についても常勤性に当てはまるわけではありません。
専従性とは<専ら>宅地建物取引業者に勤めている事を指しておりますが、許容範囲については都道府県によって若干意味合いが変わってくる事もあります。専従にならない場合としては、他の法人の代表取締役や常勤の役員を兼務してる場合、自身で起業している場合等についてが当てはまります。
一般の宅地建物取引士との違いは上記2つの条件があるかないかです。何か事情がありフルタイムで勤務が出来ない場合等については一般の宅地建物取引士としての業務を行う事となります。


専任の宅地建物取引士の人数


宅建業法では、1つの事務所で従業員5名に対し1名以上の専任の宅地建物取引士の設置を義務としております。ここでいう従業員とは宅地建物取引業に従事する者とし、代表者や常勤の役員、営業、総務や経理等の管理部門、事務が当てはまります。
事務所とは下記の5点を備え付けている場所になります。
・免許番号等が記載されている標識の掲示
・報酬額の提示
・帳簿の備付け
・従業員名簿の備付け
・成年者である専任の宅地建物取引士の設置
本店以外にも事務所を構えている場合(支店)についても5点を備え付ける必要があります。

物件の申込の受理や契約を締結する案内所等については、従業員数に限らず1名以上の専任の宅地建物取引士を設置する必要があります。
万が一、専任の宅地建物取引士が不足となってしまった場合は2週間以内に補充が必要になります。


宅地建物取引士の登録


最初の項目に記載した通り、宅地建物取引主任者試験に合格した人は資格の登録を行う事により実務にあたる事ができます。その場合の要件として不動産業務を2年以上行う必要があると記載しましたが、登録実務講習を受ける事により2年間の実務が無くとも宅地建物取引主任者証を受領し実務を行う事が出来ます。
その際に、成年者と同一の行為能力を有しない未成年者や破産者で復権を得ないもの、不正の手段により試験に合格した者等についてはそもそも登録をする事が出来ません。


宅地建物取引士の事務


宅地建物取引士になると資格を有していない従業員ではできない事があります。
まず、不動産の契約を行う際に必要になる重要事項説明です。こちらについては売買、賃貸どちらでも必要になります。この読み合わせや説明については、宅地建物取引士でしか出来ません。重要事項説明については、契約が成立するまでの間に行う必要があります。また、重要事項説明を行う前には宅地建物取引士証を提示する必要があります。
重要事項説明書と不動産売買契約書に対する記名と押印についても宅地建物取引士のみが行える業務の一つとなっております。


最後に


不動産売買の契約を行う場合については、宅地建物取引士が必要になります。実際の契約を行う際に宅地建物取取引士がいない場合は契約自体に効力がなくなります。基本的にそのような事はありませんが、万が一そのような場合には確認をするようにしましょう。

2020.10.13