コラム

心理的瑕疵

 

こんにちは。千葉市稲毛区の三和住販株式会社です。今回は心理的瑕疵について書いていきます。


心理的瑕疵とは


心理的瑕疵とは、賃貸物件を賃借し住む際や、売買物件を購入し居住する際に心理的な抵抗を感じる可能性がある物件のことを言います。


告知義務について


心理的瑕疵に当たる可能性がある際は、不動産契約を行う際に借主または買主に対し、告知を行う必要があります。

告知については、賃貸物件で自殺があった場合については、2年から3年の間は告知義務があると考えられています。売買の場合は、居住期間が長くなるので5年から6年間は告知義務があると考えられています。

告知義務を怠ったまま契約を行い、契約者が後から心理的瑕疵があることを知った場合は契約の解除や損害賠償請求が発生する場合がありますので、契約をする際には注意が必要です。

 

また、告知義務は事件・事故後、最初に契約をする借主または買主には告知をする義務がありますが、次に契約をする人には告知を行う必要はありません。

ですので、あとからこの心理的瑕疵があることを知ったとしても、契約の解除や損害賠償の請求をすることはできません。

 

では、一般的にどのようなケースが心理的瑕疵に当たるのか何点か挙げていきます。


心理的瑕疵:自殺や殺人


まずは、自殺や殺人です。ほとんでの人がこのような自殺や殺人があった賃貸物件や中古物件に対し、心理的抵抗を持つと思われます。

ご高齢の方がお住まいで、天寿を全うされた場合などはこのケースにはあたりませんが、発見がかなり遅れてしまい、腐臭などが発生してしまった場合などは心理的瑕疵に当たる可能性があります。

 

このような場合、リフォームをしている場合が多いので一見したらわかりませんが、先ほどの告知義務があります。

借主や買主は内容を確認し、納得した上で契約を行う必要があります。


近隣で事故事件があった場合


こちらについては、例えば隣地で事件があった場合を指します。

事件といっても残虐性が高い場合や、全国ニュースに連日報道されているような事件があった場合については、心理的瑕疵にあたる可能性があります。


嫌悪施設がある場合


嫌悪施設とは、お墓や刑務所、ごみ処理場や有名な心霊スポットなどです。

この嫌悪施設については、人によって考え方が全く違う場合が多いので、一概には言えませんが、可能性の一つとして告知をしておく方がいいと思われます。


指定暴力団の事務所が近隣にある場合


指定暴力団や半グレと呼ばれる集団の事務所が近隣にある場合についても心理的瑕疵に当たると考えられています。

理由としては、万が一抗争などがあった場合に巻き込まれてしまう可能性があるためです。


心理的瑕疵のメリット・デメリット


心理的瑕疵物件を選ぶメリットとしては、相場より賃料や売買代金が安くなる傾向があります。

人気のあるエリアの場合、競争率が高くなる場合がありますが、心理的瑕疵がある物件については、敬遠されることが多いので入居がしやすくなることもあります。

 

デメリットについては、人により別々の理由があると思われますが、告知を受けていて契約後に取り消しを求めても応じてもらえません。

こちらについては、どの物件でも変わりはありません。


最後に


心理的瑕疵については、自分で調べてもなかなかわからない場合が多いです。

ですが、賃貸物件でも売買物件でも販売広告に「告知事項あり」との表記が基本的にはありますのできちんと確認をするようにしましょう。

2021.10.09