借地権
目次
こんにちは。千葉市稲毛区の三和住販株式会社です。今回は借地権について書いていきます。
借地権とは
借地権とは建物を建てるために土地の所有者へ地代を払い所有者から土地を借りる事です。その為、駐車場や資材置き場については含まれません。また借地権には賃借権と地上権の2つの種類があります。
賃借権と地上権
賃借権と地上権の違いは大きく分けて借りている側の権利の強さが違います。
賃借権は土地の賃貸人の承諾をもらった上で、土地を間接的に支配する権利です。これを登記する場合は地主の承諾が必要になり、第三者への譲渡や賃貸をする際にも地主の承諾が必要になります。
また、賃借権では賃料の取り決めが必ず必要になります。それに加えて建物の利用目的が完了した場合は対象の土地を所有者に返却する必要があります。ですので、リフォームや増改築を行う場合についても地主への確認と承諾が必要になります。
地上権については、地主の承諾を得なくても権利を登記し第三者に譲渡や賃貸をする事ができます。また、賃貸借の期間を地上権の場合は永久とする事も可能となります。賃借権については、20年を超えることが出来ず随時更新を行うようになります。
一般的に賃借権と地上権では賃借権の方が多く契約がなされています。一般の人と地上権を締結してもメリットがあまりないのが大きな理由です。ですので、地上権を設定する場合については鉄道や高速道路等に使用する際に設定をされる事が多いです。先ほども書きましたが地上権の場合は修繕等を行う際に所有者の承諾を得る必要はありませんので緊急の修繕が発生した場合でもすぐに実施する事が出来ます。
借地法について
借地権が関係する法律は大きく分けて2種類あります。一つが1992年8月以前に制定されていた旧借地法です。もう一つが1992年8月1日に制定された借地借家法です。旧借地法については、借りる側の管理が強かったため、土地の返還が難しい側面がありましたが新しく制定された借地借家法では借りる期限をキチンと定めた定期借地権も設けられております。
旧借地法について
旧借地法は、大正10年に定められた法律です。旧借地法では堅固な建物の場合は30年以上の契約期間を、非堅固な建物では20年以上の期間を定める必要があります。
契約期間の定めがなければ堅固な建物で60年、非堅固な建物では30年が契約期間となります。この期間内か更新時に所有者から借地人に対して明け渡しの請求は正当性がないとして認められないとされております。
こちらについては、更新後についても堅固であれば30年以上、非堅固であれば20年以上の期間を定める必要があります。期間に定めがない場合は堅固であれば30年、非堅固であれば20年の期間が定められます。
普通借地権と定期借地権について
普通借地権については契約期限は決まっていますが、更新を重ねる事により半永久的に借りる事が可能となります。契約期間は構造に関係なく一番初めは30年、更新が合意の上であれば1回目が20年、それ以降は10年となっております。
普通借地権の更新については、地主と借主の合意をもって更新される合意更新と契約をした際に、契約解除を行わない限り更新を続ける自動更新、契約期間満了の1年前から6カ月前までの間に、更新をしない旨を伝えず地主も特に異議がない場合は同じ契約が自動的に更新になる法定更新があります。
次に定期借地権です。こちらは戸建やマンションとともに住宅用として土地を貸借する事です。契約期間は50年以上となっております。契約についての更新はなく契約終了後は更地にして返す事となります。
次に定期借地権です。定期借地権は最初に取り決めた期間内のみ土地を借りる事ができます。更新に関しては、基本的にはありません。存続期間等については建設を予定している建物の条件等によって以下のように変わります。
・建物譲渡特約付借地権・・・地主が建設された建物を購入する契約です。こちらについては存続期間は30年以上となります。
・事業用借地権・・・・店舗や商業施設を建設する場合の契約です。こちらの契約期間は10年以上、50年未満となります。
・一般定期借地権・・・借地借家法の契約更新等の規定が適用されない事と、建物の買取特約がない場合です。契約期間は50年以上となります。
地主の変更
地主が相続や土地の売却により名義人が変わる事があります。その際に、新しい地主から立ち退き要求があった場合、借主は建物を自分の名義で登記していればその要求を断る事が出来ます。
借地権のメリット・デメリット
借地権のメリットについては、
・土地の固定資産税と都市計画税に掛かる負担がない
・借地権付の建物の場合は相場より安くなる場合が多い
・土地が利便性が高く好立地の場合が多い
デメリットについては、
・地代の負担がある
・自分の所有する財産ではない
・更新時に更新料を請求されることがある
・建物を売却や増改築をする際には地主の承諾がいる
上記のようになっております。
最後に
借地権は自分の所有物にはなりませんが、先ほども書いた通り好立地の土地にかけられている事が多いです。現状土地を探している方は通勤や利便性をとるかために借地権付の土地に新築を建てるか月々の支払いと所有権をとるか検討しながら土地探しを行って頂ければと思います。
2020.10.03