コラム

境界

 

こんにちは。千葉市稲毛区の三和住販株式会社です。今回は不動産における境界について書いていきます。


境界とは


境界は不動産登記された土地の地番と地番の境目のこと指します。要するに自分の土地と他人の土地を分けるための境目や道路との境目の意味で使うことが多いです。

不動産売買を行う場合は契約書上に境界の明示をしてもらうように記載があるように、境界が大事な要素の一つとなります。これは後ほど記載します、トラブルの原因となることが多いです。


境界の見方


境界の見方としては、現地に行くと境界杭や境界プレートと呼ばれるものが土地の境目にあります。それ以外にも測量図に記載があるポイントや確定測量などを行った際に測量士が撮影した写真をみることによりどこに境界杭があるかわかります。

 

(境界杭:写真)

 

ただし、昔造成をした土地の場合だと境界杭が地中の深いところに埋め込められていたり、何かの拍子で境界杭が抜けてしまったり杭自体がない場合があります。

なお、この境界杭を自身で勝手に自分の都合のいい箇所へ移動させたりすると刑法に触れる犯罪行為となります。


境界に関するトラブル


境界に関するトラブルは土地を超えて使用してしまっている越境や自身の親などが口頭で約束しているといった曖昧な確認です。

 

例えば、Aさんの敷地とBさんの敷地の境界線上に敷地を仕切るようなブロック塀が建設されていたとします。境界杭は見当たらず、このブロックで境界を分けているとAさんとBさんは口頭で確認しブロック塀についてもお互いに費用を出し合って設置を行いました。

 

AさんとBさんは良好な隣地関係を築いていましたが、ある日Aさんが亡くなってしまいます。

月日が経ちブロックの老朽化に伴いBさんは遠方に住んでいるAさんの子供にブロック塀の補修を持ち掛けます。

Aさんの子供は早い段階で独り立ちしており、実家へはなかなか帰っていませんでした。

なのでブロック塀を自分の親と共同で建てたことは知りませんでした。

Aさんの子供はなぜ自分が費用負担をしなければいけないのかわからないので補修費用については支払いたくない旨をBさんへ伝えました。

 

それからまた月日が経ち、Aさんの子供は空家になっている実家を売却しようと思い地元の不動産会社へ売却を依頼しました。不動産会社はすぐにお客さんを見つけました。

Aさんの子供は早速契約を交わしました。その際、境界についての明示を請求されていたので測量士に依頼したところ、隣地との境界杭がないことを知ります。

境界杭設置については測量士の方でも隣地のBさんへお願いしましたが、Bさんは頑として承諾をしてくれません。

Aさんの息子は自分でもお願いに行きましたが、それでもBさんは境界杭の設置を認めてもらえず理由を聞いてみると以前に補修を持ち掛けたブロック塀がAさんの親とBさんの共同で建築したモノであること、このブロックを中心に境界を分けていたことを初めて知りました。

Bさんはブロックの補修については、Bさんが単独で行ったからBさんのものであると主張しており、境界についても現状ではAさんの息子が土地の越境をしていると主張してきました。

結局、Aさんの息子とBさんは話し合いがうまくいかず境界の明示は出来ませんでした。

土地の買主も隣地とのトラブルを抱えたままで買いたくはないし、土地面積も曖昧だといった理由で売買契約は破棄されてしまいました。

 

さて、このようなトラブルを回避するには、最初に境界を曖昧にしないことが必要でした。

もしくは、AさんとBさんの口頭での約束をしっかり書面にして次の世代にもお互いがわかるようにしておくのが後々のトラブル回避につながったと思います。

 

上記の話は内容が飛躍している箇所もあるように思えますが実際に起こりうる境界トラブルなので注意が必要です。


最後に


境界については、最初に造成を行った際にしっかりと明示していない場合どんどん曖昧になってしまうものです。その曖昧さのせいで、土地の売却がうまくできなくなる可能性は十分に考えられます。

これから土地を買おうと思っている方は境界をしっかり明示してもらってから買うようにしましょう。

現在、土地をお持ちの方はどこかのタイミングで境界がしっかり明示されているか確認をするようにしましょう。

2021.09.14