コラム

地盤改良について

 

こんにちは。千葉市稲毛区の三和住販株式会社です。
地盤調査を行い、軟弱地盤だった場合は地盤改良を実施する必要があります。地盤改良を実施する事により軟弱地盤であっても建物をしっかりと支える事が出来ます。

今回は、何種類かある地盤改良の工法について書いていきます。


地盤改良とは


まず、地盤改良とは建築物を地盤の上に建設するに際に、地盤沈下や不同沈下の影響を受けて建物が崩れてしまったり、傾いてしまったりしないようにするために地盤に対して人工的な改良を加えて安定性を保つ事を目的とした工事の事です。
地盤改良工事の工法についても何種類かあり、一般的なのが表層改良工法、柱状改良工法、鋼管杭工法、砕石パイル工法、などです。各地盤改良の方法やメリット・デメリットについては次から書いていきます。


表層改良工法


表層改良工法は、建物基礎の下にある地盤を1mから2mほど掘削しセメント系固化材と混ぜて地盤を補強する方法となります。
表層改良のメリットとしては、工事に入ってから1日から2日で完了する事です。地盤改良工事が早く終わればその分建築の本工事に着工できるタイミングが早くなります。また、規模にもよりますがこの後紹介する他の工法に比べて金額自体安くなる場合が多いです。デメリットとしては、改良を行ってくれる施工者の経験が必要になる点と勾配がきつい土地や地下の水位が高い場合には対応する事が出来ない点です。


柱状改良工法


柱状改良工法は更地の状態となった宅地の上に建築する建物のポイントを決め、約30本から35本の穴を掘削しその穴の中にセメントミルクを注入する事により掘削した穴の中にコンクリート状の柱を造る工法です。作成したコンクリート状の柱で建物を支えます。
柱状改良を行った柱の先端は硬い地盤まで到達している必要があります。柱状改良は硬い地盤のみで支えている訳ではなく、柱と柱の周囲の土との摩擦力も加わる事により建物の重さを支える事が出来ます。工期については基本的には1日から2日で完了します。施工完了後は3日程養生期間を取る事となります。
デメリットとしては、有機質の土質が混ざっている場合などはセメントが固まらない場合があります。また、将来土地を売却する事となった場合は改良した箇所の撤去工事をする事となります。撤去工事で費用が掛かってしまうため工事費を売主が負担しようと買主が負担しようと結果として売却時の土地価格は下がってしまいます。また、施工する際に使用する重機が大きいので道幅が狭い物件や狭小地では施工が出来ない可能性もあります。


鋼管杭工法


鋼管杭工法では、先ほど書いた柱状改良と違い地中に鋼製の杭を垂直に打ち込み建物を支える工法となります。鋼管杭工法を実施することにより重量がある構造物をしっかりと支える事ができます。また、比較的小型の重機で施工が可能ですので、柱状改良工法が実施出来ないような狭小地でも施工が出来ます。ですが、支持層が全くない土地の場合では施工する事が出来ません。
デメリットとしては、鋼管杭工法は先ほど書いた2つの工法に比べ材料費が高くなってしまう影響で全体的な費用が高くなってしまいます。また、地盤改良時に騒音や振動が発生するので場合によっては近隣から苦情が入る可能性があります。


砕石パイル工法


砕石パイル工法は、支持層まで到達する穴を空けて、地面の中に小さく砕いた天然石を石柱状(パイル)に詰め込んで地盤を補強する工法です。こちらの工法では固化材等を使っておりませんが、軟弱地盤に対しても適応する事が可能になっており地盤の支持力を高められることがメリットとなります。地震にも強く水はけもよく液状化を防ぐ効果も高いです。また、それ以外にも有害物質が発生しにくかったり、将来的に建物を解体した場合でもパイルを撤去する必要がありません。
砕石パイル工法のデメリットとしては、費用面で割高になる事が多いのと、掘った際の土を撤去するために別途費用が掛かる事です。


最後に


地盤改良はどの工法で実施したとしても決して安いものではありません。地盤調査に関しては、建物の形が決まってからでないと実施できませんので、地盤改良が必要になるかどうかがわかるのも建物のプランが完成してからになってしまいます。そのタイミングで地盤改良が必要との判定が出てしまうと事前に立てていた資金計画にずれが生じてしまいます。もちろん、地盤改良は義務ではありませんので判定が出たとしても改良を行う必要はありません。
ですが、地盤改良を行わない場合に大きな災害に見舞われてしまった場合、状況によっては建物の倒壊や傾きにつながる可能性は十分考えられます。万が一そのような事態になったしまい建物を復旧しようとすると改良工事を実施するよりもお金が掛かってしまうケースが多いです。そのような事を避けるためにも、改良工事が必要になった場合は実施することをおすすめします。

2020.06.26