コラム

つなぎ融資について

 

こんにちは。千葉市稲毛区の三和住販株式会社です。
土地を購入し注文住宅を建てる際には大多数の方が住宅ローンを組むことになると思います。今回はその中の制度の一つであるつなぎ融資について書いていきます。


つなぎ融資とは


住宅ローンの支払い開始は新築の引渡しと同時に始まるのが一般的です。これは住宅ローンの借入開始が新築の引渡し時と同じになる事を意味しております。
ですが、注文住宅を建てる場合は建築が始まった際に掛かる着工金と上棟の時に掛かる中間金を請負業者に対して支払う必要があります。こちらについては着工金で建築費用の約30%、中間金で建築費用の約30%を支払うので60%くらいの支払いが発生する事となります。
着工金と中間金を支払う理由としては、建築を請け負っている工務店は工事内容によってそれぞれ専門の職人さんや木工事を行う大工さん達に仕事を振り分けて建築を行っていく事となります。
建築を行う際に最初に着手するのは基礎工事の職人さんになりますが、基礎工事が完了したら工務店から基礎工事業者へ工事代金の支払いをする必要があります。

その他の下請け業者への支払いについても工務店はそれぞれ工事が完了し次第代金の支払いを行う事となります。
工務店は年間でかなりの棟数を請け負う事が多いです。仮に工務店へ買主からの支払いが完成後に全額になってしまうと先ほど書いた各下請け業者への支払いがかなりの負担になってしまいます。また、万が一買主が建築途中で支払いをする事が出来なくなってしまった場合にも工務店はかなりの負担を強いられる事となります。そうなってしまうと次に下請け業者が工事代金を受け取れなくなってしまい最悪の場合は廃業となってしまいます。もしもそのような事になれば建築途中の建物を完成する事が出来なくなってしまう可能性が高まります。このような状況を避けるためにも着工金や中間金の支払いは必要になっているのです。


着工金と中間金の支払い額について


例えば、建築に掛かる費用が2,000万円だとしたら着工時に600万円の支払いをする必要があり、上棟時には600万円の支払いをする必要があり合わせると1,200万円もの資金を用意しなければならない事となります。この額を自身で用意しようとするとかなり大変ですのでつなぎ融資を利用する事となります。
ちなみに、最終的に残っている800万円については、引渡し時の支払いになるので住宅ローンの貸出実行と同じタイミングになります。


つなぎ融資の仕組み


つなぎ融資を利用する際には、取り扱っている金融機関もしくは金融機関と提携している保証会社に対して着工金、中間金を借入る形態になりますので借り入れた額に対する利息を支払う事となります。利息については、通常の住宅ローンの変動金利の最安値(2020年8月現在)が0.6%台から0.7%台なのに比べ2%を超える場合が多く金利設定は高くなっています。
利息を払う期間については、建築期間によって変動しますが、仮に着工から3ヶ月で建築が完了する場合は着工金については3ヶ月分の利息の支払いとなります。着工から1ヶ月で上棟となった場合には完成までの残り2ヶ月分の利息を支払う事となります。それに加えて金融機関や保証会社への事務手数料についての支払いも発生します。
その他にも、保証会社を利用する場合については保証会社に対し保証料を支払う必要があります。こちらについては各保証会社によって違いがあると思いますが、大体借入額の0.5%くらいになるか一律で10万円以上の保証料になる場合が多いです。
金融機関によっては土地に対して仮登記を実施する場合があります。この登記に掛かる費用については、つなぎ融資を利用する買主の方で支払う事となります。


つなぎ融資の注意点


つなぎ融資の注意点としては、まず審査が別にある点です。金融機関が自ら行っている場合については必要ありませんが、保証会社等外部機関にてつなぎ融資を行う場合は再度審査が必要になります。
次につなぎ融資については住宅ローン控除の対象にならない点です。ですので、金利については丸々手持ちのお金から支払いを行う必要があります。
それ以外にも、そもそもつなぎ融資という制度を使えない金融機関もあります。その場合は、つなぎ融資のみの借入を行う金融機関wを別で探さないといけなくなってしまいます。


最後に


金利の状況や登記料等により金額の変動はありますが、大体30万円から50万円の別途費用が掛かる事を念頭におく必要があります。
ですが、つなぎ融資を利用する事によって現在手持ちの自己資金が少なくても注文住宅を建てる事が出来ます。
建売住宅よりも注文住宅がいいと考えている方はまず、利用しようとしている金融機関でつなぎ融資を実施する事が出来るか、また不動産業者から紹介された金融機関でつなぎ融資を利用させてくれるのか確認する事が必要になってくるでしょう。

2020.08.10