コラム

贈与について

 

こんにちは。千葉市稲毛区の三和住販株式会社です。
その中で今回は贈与の際に掛かる贈与税について書いていきます。


本来の贈与財産


贈与にあたる財産については、大きく分けて2種類あります。1つが本来の贈与、もう1つがみなし贈与です。
本来の贈与とは現金や小切手、普通預金や定期預金・当座預金が該当します。また、土地や土地上の権利、家屋や庭園についても贈与税の対象となります。
それ以外にもに、駐車場や広告等、有価証券、宝石や家庭用で使う自動車が分類される家庭用財産、機械設備や器具等が該当する事業用財産、その他貸付金や未収入金、ゴルフの会員権等が該当します。


みなし贈与


みなし贈与とは不動産を売買した際に市場価値が1,000万円の不動産を500万円にて売買した場合に適用されます。不動産の価格については、大体市場価格から80%未満がひとつの目安となります。特に親族間等では課税対象になる場合が多くなりますので贈与をする前に税理士に確認する事が大事です。
他には、借金を無条件で帳消しにしてもらった場合もみなし贈与となる場合があります。例えば300万円を借りていた債務者が借金を免除してもらうと債務者の所得が増えるとみなされるためにみなし贈与となります。
また、信託をする際に、委託した人以外が受益者となる場合や自分が払っていない保険の保険料を受け取った場合等についてもみなし贈与としてみなされる場合があります。保険の場合で死亡保険については、みなし相続となります。


贈与税


本来の贈与財産とみなし贈与を受けた場合は、贈与税が加算される事となります。贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税の2種類があります。
まず、暦年課税とは個人が1月1日から12月31日までの1年間で財産の合計から基礎控除額の110万円を差し引いた残額に対して贈与税が課税されます。
相続時精算課税制度については、贈与を受ける際には2,500万円まで贈与税が非課税になりますが、贈与をした人が亡くなってしまった場合は、遺産以外に以前贈与を受けていた財産に相続税が課税される事となります。
例えば、5,000万円の資産を保有しているAさんが自身の子であるBさんに2,000万円を生前贈与すると、贈与税は掛かりません。ですが、Aさんが亡くなってしまった場合は、Aさんの手元に残っている3,000万円と生前に贈与していた2,000万円を合わせた5,000万円に対して相続税が課税されます。
また、相続時精算課税制度を一度活用すると暦年課税を改めて利用する事は出来ず、2,500万円までの非課税を受ける事しか出来なくなります。ですので、2,500万円を超えた場合の贈与額については、贈与税が加算されます。

贈与税の対象外となるケースもありますので箇条書きで何点かご紹介します。
・贈与を法人から受けた場合
・生活費や教育費を扶養義務者から取得した場合
・奨学金の支給を受けた場合
・個人から受ける香典やお見舞いでもらった金品
・父母、祖父母から一括で贈与を受けた教育資金、結婚・子育て資金
上記以外にも、年間110万円以内の贈与や、離婚時の財産分与などは贈与税が非課税になります。


贈与税の税率


贈与税の税率については、2015年以降一定の要件を満たす場合は特例贈与財産として低い税率の適用が可能になります。
特例贈与財産の要件は2つあります。まず一つが、贈与を受ける年の1月1日時点で20歳以上であること。もう一つが贈与を直系尊属から受けることの2点となります。このどちらかでも該当しない場合は税率は一般税率になります。


一般贈与財産の税率


贈与税の税率については贈与を受けた合計額に対し基礎控除額の110万円を引いた額が課税価格となります。それに加えて課税価格の幅によって税率が決まるようになっています。下記にそれぞれの税率を記載します。
課税価格が200万円以下では税率が10%
課税価格が200万円超で300万円以下の場合、税率は15%
課税価格が300万円超で400万円以下の場合、税率は20%
課税価格が400万円超で600万円以下の場合、税率は30%
課税価格が600万円超で1,000万円以下の場合、税率は40%
課税価格が1,000万円超で1,500万円以下の場合、税率は45%
課税価格が1,500万円超で3,000万円以下の場合、税率は50%
課税価格が3,000万円超の場合は55%
上記の通りとなっております。


特例贈与財産の税率


特例贈与財産では先ほど書いた一般贈与財産に比べて税率が低くなります。課税価格の算定については、先ほどと同じです。
課税価格が200万円以下では税率が10% 一般贈与財産と同じ
課税価格が200万円超で400万円以下の場合、税率は15% 一般贈与財産より範囲が広くなっています。
課税価格が400万円超で600万円以下の場合、税率は20% 一般贈与財産より10%低くなっています。
課税価格が600万円超で1,000万円以下の場合、税率は30% 一般贈与財産より10%低くなっています。
課税価格が1,000万円超で1,500万円以下の場合、税率は40% 一般贈与財産より5%低くなっています。
課税価格が1,500万円超で3,000万円以下の場合、税率は45% 一般贈与財産より5%低くなっています。
課税価格が3,000万円超で4,500万円以下の場合、税率は50% 一般贈与財産より範囲が狭くなり税率が5%低くなります。
課税価格が4,500万円超の場合は55% 一般贈与財産と同率です。
このように一般贈与財産に比べると税率は低くなります。


最後に


贈与や相続については、簡単に内容を理解できるものではありません。
ですが、概要だけでも知っておく事で自身が贈与を受ける場合や贈与を行う場合に損をしないで済むと思いますので頭の片隅に置いておいて頂けると幸いです。

2020.09.21