コラム

IT重説

 

こんにちは。千葉市稲毛区の三和住販株式会社です。今回は賃貸借契約におけるIT重説について書いていきます。


重要事項説明


不動産の契約におてい重要事項説明は契約前に欠かせないものとなっています。不動産は不利益を受けることが多いのできちんとした資格を持った方が重要事項説明を行うことが義務付けられております。
今回は賃貸借契約の際の重要事項説明について取り上げていきます。おおまかですが、重要事項説明の内容としては物件に関する情報として謄本に記載されている内容や法令に基づく制限、生活インフラに関する整備状況が記載されています。それ以外にもアスベストを使用しているかどうかや耐震についても記載があります。
取引の条件に関しては、賃料や管理費、敷金などの記載や契約の解除、賠償金に関する定めの有無、契約期間や管理先についての記載があります。
この重要事項説明は、賃貸借契約を締結する前に宅地建物取引士から受ける必要があります。
また重要事項説明については、オーナー並びに賃借人が「説明を受けなくてもいい」との要望を受けた際にも省略することはできません。


重要事項説明の交付


重要事項説明は賃借人とオーナー間にて書面にて交付しお互いの記名、捺印が必要になります。その記名、捺印した書類をお互いが保管することとなります。
従来であれば、対面で行うことが基本とされてきましたので、重要事項説明を受けたのちにキチンと内容が理解できたら記名、捺印をしていただき1通を賃借人に持ち帰ってもらう事が多いです。


IT重説


IT重説は従来の対面式の契約ではなく、お持ちのPCやタブレット、スマートフォンを用いて重要事項説明を行うことを指します。
こちらについては、2017年から本格的なスタートをしています。

国土交通省から提示さているIT重説を行う上で遵守すべき事項は5つあります。
一つが双方向でやりとりができるIT環境の整備です。具体的にどこまでの整備をするかは決められてませんが、図面や書類の内容が十分に理解できるくらいに映像が視認でき、音声を聞き取る事ができる環境を指しています。
2つめが、重要事項説明書の事前送付です。こちらについては、PDFファイルや電子メールでの交付は認められてません。
宅地建物取引士が記名押印した書類を先立って送付する必要があります。
3つめが、重要事項説明書等の準備とIT環境の確認です。上記2つに似ていますが、キチンと重要事項説明書や付随資料が手元にあるかの確認と、音声や映像がクリアになっているか説明の実施前に再度確認することです。

4つめが宅地建物取引士証の確認です。実際に対面で契約を行う際にも提示が必要となっていますのでそちらと同じ内容です。
最後が、IT重説の中断対応です。IT重説を実施している最中に、映像や音声に乱れが生じた場合はすぐに重要事項説明を中止する必要があります。IT重説の再開は、問題の解消が終わってからとなります。


IT重説のメリット


IT重説のメリットは時間や交通費の節約ができる点が挙げられます。遠方へ急な転勤が発生した際などはわざわざ向かう必要がなくなりました。
日程の調整についてもスポットでしか時間が取れない方でも契約日の設定がしやすくなりました。
また、令和3年6月時点でまだ収束の目途がたたない新型ウィルスを理由に対面をする必要がなくなったのでこちらについても気楽に契約ができるようになりました。


IT重説のデメリット


IT重説のデメリットを挙げるとしたらITツールを導入することに手間が掛かる可能性があります。スマホやタブレットを所有していても使い方があまりわからない場合などはツールの導入や使用の段階でハードルが上がってしまう可能性があります。
その他にも通信環境が場所や時間帯によって不安定になる可能性があり、実際に始まったら全く内容が理解できない可能性もあります。
身元確認については対面でも大きな差はありませんが、宅地建物取引士証が不鮮明で見えない場合や賃借人の本人確認資料が見えない場合などがありますので注意が必要です。


最後に


生活のIT化が進む中、不動産の契約にもITが活用される時代になってきました。現在では、賃貸借契約だけではなく売買契約についてもIT重説を行うことができるようになってきています。
普及に関してはまだまだ時間が掛かると思います。また、今までやってきていない事だったり従来のやり方に慣れてしまっているので様々な障害が出てくると思われますが少しづつ一般的になっていくと思われます。
不動産の契約は何度も行うことではありませんが、実際にIT重要を受ける際には事前の準備やデメリットなどを踏まえた上で実施するようにしましょう。

2021.06.11