コラム

自然災害と家

 

こんにちは。千葉市稲毛区の三和住販株式会社です。

 

私たちが普段営業をしている千葉県では2019年2度の巨大台風の影響を受け様々な被害が出ました。
弊社が管理している物件や知り合いでも屋根が飛ばされてしまったり、前の公園から木が倒れてきて外壁や車が破損したとの話を聞いております。

今回おきた自然災害だけに限らず過去にも全国様々な地域で自然災害は発生しております。そして、いつおきるか誰も判断ができないものです。

ですが、備えることは出来ます。今回は自然災害の中でも地震について書いていきます。


日本の建築基準


自然災害の中で関係性が強いのは「地震」「台風」「水害」があたると思います。
地震でいえば遡ること2011年3月東日本大震災がありました。

千葉県に関してですが、建物の瓦が落ちるなどの被害がありました。

また、液状化現象が起きた地域に関しては地盤沈下が発生し、コンクリートブロックが傾くなどの被害が発生しておりました。

台風でいえば先ほども記載しましたが、2019年8月に発生した台風15号、同年10月に発生した台風19号にて停電や断水が発生し暴風の影響により家の窓や外壁が壊れるなどの被害や近隣の工作物の影響で建物が壊れてしまうといった被害が発生しました。

このような自然災害で建物の全壊についても何件か発生しておりますが、比較的築年数が経過している建物でした。

これは、1981年に改正された建築基準法にて震度6から7の地震で倒壊、崩壊しない強度であり高さが10mまでの建物については平均風速が約35m/秒、最大瞬間風速が約50m/秒に相当する暴風が吹いても倒壊、崩壊しない強度であることが義務づけられているため築年数がそこまで経過していない建物については一部損壊の被害となっておりました。

日本は他の国に比べると災害が多い国です。それに伴い建築基準法についても改正がなされていきます。

 

ですが、この法律についてはあくまでも「人命が損なわれるような壊れ方」をしないことを基準としておりますので傾きや一部損壊については許容されてしまいます。

 

水害に関しては、建物だけで防ぐことができない部分となってしまいます。
こちらに関しては、各市町村が発行しているハザードマップを見ながら土地選びを行う事をおすすめ致します。


耐震等級


新築を購入する際に「耐震等級」という言葉を聞くことがあると思います。
耐震等級とは住宅性能表示制度と耐震診断によりどれくらい地震に耐えられるかを示すものです。
これには耐震等級1から耐震等級3までの基準があります。

 

まず、耐震等級1は上記にある建築基準法と同等の等級となっております。
震度6~7または平均風速約35m/秒、最大風速約50m/秒に耐えられる建物となっております。

 

耐震等級2は先ほどの耐震等級1の1.25倍の耐震強度があるといったことになります。こちらは「長期優良住宅」として認定されるのに必要になってきます。

ちなみに長期優良住宅として認定されると住宅ローン控除の控除対象限度額が優遇されたり、不動産取得税の控除額の優遇、登録免許税の優遇、固定資産税の優遇等のメリットがあります。

 

耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の耐震強度があるといったことになります。このように等級が上がればその分耐震に関しての強さは上がっていきます。


免震と制震


この他にも、免震や制震といったものもあります。
免震とは、建物本体の揺れ幅を軽減することにより家屋内の安全も守る事です。免震機能がある住宅では建物と基礎の間に免震装置を設置する事となります。

制震とは建物内部に予め設置したオモリやダンパー等の制震部材を組み込む事により地震の揺れを吸収する事です。


それぞれのメリット・デメリット


地震を防ぐことに関して3つの項目をご紹介しました。
では、各工法にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

耐震構造のメリットはまずコストが安い事です。現在の建物は建築基準法に則って建築を行っているため基本的には追加費用が掛かる事はありません。しかし、先ほど書いた耐震等級を上げる場合は別です。
また、強風レベルの風であればそこまで揺れは感じないと思います。
それに加え地下室を作ることも出来ます。
デメリットに関しては、地震の揺れをダイレクトに感じるため揺れが激しくなることがあります。
2階建ての場合2階は1階よりもより揺れを大きく感じる事となります。
また、家屋内の家具については突っ張り棒等を適切に使っていない場合倒れてしまう場合があります。

 

免震構造のメリットは地震が発生した場合でも揺れをほとんど感じない事です。これにより家屋内の家具についても倒れにくくなります。
デメリットとしてはコストが高くなってしまう事と、特殊な工法ですので工事ができる業者さんが限られている点と定期的なメンテナンスが掛かってしまう事です。
また、基礎と建物の間に装置を設置する都合上地下室は作ることができません。

 

制震構造のメリットは建物の倒壊をほぼ防ぐことができる事です。また、先ほどの免震構造よりはコストが安くなり繰り返し起きる地震に対しても強いです。
デメリットとしては、地盤が弱い土地の場合は導入ができない事と耐震構造よりはコストが掛かってしまう事です。
また、地震が発生した場合揺れは体感する事となります。

ざっくりではありますが、耐震、免震、制震構造のメリットとデメリットになります。
家を建てる際どれくらいまで防災にコストを掛けるかによってどの構造がいいか変わってくると部分です。


最後に


日本での災害で今のとこと一番多いのが地震となっているため地震に関する内容が主になってしまいます。
あってほしくないことですが、今後も地震は発生するでしょうし、先日のような大きな台風もまだまだ発生する可能性は十分に考えられます。
もしも、また大きな台風が発生してしまい建物に関して重大な被害が多数発生した場合は建築基準法も変わっていく事になると思われます。

これから新築をご検討の皆様も防災に関して改めて検討し、適切な準備・対策をして頂ければと思います。

2020.02.14